
森のまちの乳加工場
プティフロマージュ Le Petit Fromageは理想的環境から生まれる、塩崎牧場のグラスフェッドミルク。この稀少なおいしさを、多くの方に味わってもらいたい。
グラスフェッドの風味が引き立ち、最低限の保存性のある加工品。
その条件を満たす方法の一つが、発酵バターです。
❑ Monte Biancoで販売されている乳製品類の原料を提供していただいてる塩崎さんにお話をきいてみましょう。
※ AはAgrifoodismのことです。
塩崎さん)やあ、どうぞどうぞ。今日は暑いから、牛小屋のほうがいいかな?
A)こんにちは~、お邪魔します。僕が毎朝牛乳を取りに来る7時半頃って塩崎さんはすごく忙しいし、僕もそこからが仕事。今日は遠慮なく話が聴けると思って、楽しみに来ました。
塩崎さん)ああ、朝はちょうど搾乳の終わりかけの頃ですもんね。うちは二回搾乳だから、もう少ししたら牛が帰ってきて夕方の搾乳。それまでは子どもたちを見たり書類仕事をしたり、こうやって誰かと会ったりする時間なんです。
A)家族の生活のリズムがあるのって、何だかいいですね。僕は1人作業が好きだからチーズ工房は合ってるけど(笑)。今年の放牧開始は、いつ頃でしたっけ?
塩崎さん)5月の9日かな。僕がいる仁宇布(ニウプ)は美深町の中でも雪が多いでしょう。だから雪がとけたら大急ぎで電気牧柵を張って、できるだけ早く牛を出したい。
A)それは牛のためにですか?
塩崎さん)牛は若い牧草が好きだから、そのタイミングを逃さず食べさせてあげたいんです。食べた跡に次の草が生えて、また若いうちに食べて、牧草の更新サイクルにスムーズに入れる。だから、牛と僕ら両方のため(笑)。
A)半年間、牛は自力で餌を食べながら次の餌も育ててるんですね。この辺は5月の連休くらいで根雪が消えて、10月末に初雪を見て車のタイヤ交換をしますよね。冬の間、牛は何を食べるんですか?
塩崎さん)夏にうちの牧草地で刈っておいた干草(かんそう)をあげます。今のところは、牛の調子によって、てんさいの絞りかす(ビートパルプ)をペレット状にした餌を少量、足すこともあります。
A)この土地の、この草で育った牛の乳を搾るのが、塩崎さんの酪農なんですね。
塩崎さん) 草を食べていいお乳が出る牛になるように色々工夫していますね。生まれた仔牛も、ゆっくり離乳しながら草が食べられるように慣らすんですよ。育成期間(仔牛の頃)も穀物を与えないから、うちの牛は小さめでしょう?
A)すみません、実は他の牧場をあまり知らないんです…。でも毎日チーズやバターを作っていると、「あ、変わった!」ってわかる日があります。今年は5月中旬ころでした。
塩崎さん) ああ、牛を出して1週間くらいのことかな。その時、色も匂いも変わりますよね?
A)はい。色が濃くなって、牧草と同じような匂いがして、味見するとさらに香りが広がってすごいです。チーズもですが、バターなんかタンポポみたいな真っ黄色になっています。
塩崎さん)草のカロテンが乳に出るんですよね。
A)うわ~、やっぱりそうか!「どうしてこうなるのかな」と思いながら作っていました。前に塩崎さんから「放牧した直後に、牛乳の味が今ひとつの期間がある」と聞いて、それもなぜだろうって。
塩崎さん) 冬の間、牛は干草(かんそう)を食べています。それが青草に変わるので、牛のお腹が青草に合った状態になるまで、少し時差があるんだと思います。
A)牛たちの日々の食べ物や体調で、牛乳も変わるんですね。僕はチーズづくりの駆け出しですが、工房にいても何となくそれが感じられるのが面白くて、毎日作業していて飽きないなあと。須藤オーナーが工房を引き継いだ気持ちも、だんだんわかってきた気がします。
塩崎さん)僕らはチーズを作れないので、「チーズ工房羊飼い」の田中さんがうちの牛乳を製品にしてくれていました。田中さんが引退された後も、須藤さんが季節ごとの牛乳を感じながら使ってくてれいるのがわかってよかったです。
A)僕も、前から知りたかった事がわかってきて、すごく勉強になりました。これからもよろしくお願いします。
